アメリカ医療の闇。1万人インフル死亡でも問題にならない理由

2020年3月2日

2019-2020、インフルエンザで1万人以上の死者を出しているアメリカ。でもなぜ中国以上に大騒ぎにならないのでしょうか?

それはアメリカの国民性や文化によるものが大きいでしょう。今回は実際にアメリカの病院で起こっている医療の事情をご紹介します。

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米、インフルで1万人も死亡!?


【出典:日本経済新聞コロナウィルス感染マップ

SARSで774名死亡したのは記憶に新しいですが・・

中国でのコロナウィルスは令和2年2月11日現在、約43092人の感染者がおり、死亡した人数はなんと1018人に上ります。世界中で大騒ぎになっており、先日アメリカでマスクをしていたアジア人に対して黒人の男性が暴力をふるう事件が起きましたよね。




マスクは駄目!アメリカ&ヨーロッパで嫌われるワケとは?


でもその後・・アメリカは『インフルエンザ』という違う病気でそれ以上の死者と患者を出していたことが発覚しました。

こちらをご覧下さい。

【ニューヨーク=野村優子】米国でインフルエンザが猛威を振るっている。米疾病対策センター(CDC)によると2019~20年のインフルエンザシーズンは患者数が1900万人、死者数は1万人を超えた。世界で新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなか、米国ではインフルエンザが大きな脅威となっている。

CDCの最新データによると、1月25日までの1週間でインフルエンザ患者数は400万人増え、累計1900万人に達した。うち18万人が入院している。特に子どもの症状が深刻化するケースが多く、小児の死亡者数も過去にないペースで増えているという。

日本経済新聞より引用

確かに中国の1000人以上の死者はすごいですが、1万人以上の死者とは比較にならないですよね。米保健福祉省の疾病予防管理センター(CDC)は最高2万人の死を想定していますから、まだまだ終息するには程遠いという事がわかります。

しかしなぜここまで、それもインフルでなぜそんなに死ぬの!?って思いませんか?実はこんな事情があります。

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アメリカ医療と日本医療の差とは?

日本は『政府』が医療費を補助しています。だから日本人であれば、もしくは日本で税金を払っていれば、いつどの病院に行っても3割負担で治療がしてもらえます。それも一生死ぬまでです。

しかしアメリカでは政府は関与しません。各企業が従業員の為に、民間の医療費補助会社と契約して行われています。だから、会社のレベル、その会社での自分のステイタスによって、そして依頼した民間会社のサービスのレベルによって受けられるサービスが違います。

そして面白いのが、『契約した医療費補助会社が指定した病院でのみ診療が可能』だという事です。保険会社は民間企業なので損したくないワケです。だからレベルの低い医者はゴメンで、自分たちが調べたしっかり治してくれる無駄がない医者を指定してくるのです。

そして診療内容もどこまで補助が出るか契約によって違います。レーシック手術までサポートする契約もあれば、違う会社だと同じ金額でもそれがない場合もあるワケです。ですから企業側は安いお金で従業員に良いサポートを受けさせたいので、保険会社を競わせて良い内容の会社があれば変えていくのです。

簡単にいうと・・あなたが優秀でいい会社に入れば入るほど、良いサービスの医療費補助をゲットする事が出来るという事。ではいい仕事につけない人は?

当然、保険はないので病院に行くことすらできないのです。そんな方々が病院に行くとどんな扱いをされるのかご存知ですか?・・衝撃的で悲惨なんです。

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お金が払える人だけ診察する病院

結論から言うと『瀕死の患者が来ても、お金が払えないなら追い返す・・。』それがアメリカです。

顔が土気色した今にも死にそうな患者を家族が病院に連れてきたとします。日本なら真っ先に助けますよね。でもアメリカだと・・

これは医者でアメリカの病院で勤めたことがある筆者の知人の話ですが・・看護婦が真っ先にその家族の元に行き、最初にお金の話をしたそうです。金額が書かれた紙を患者の家族に手渡し『治すのにお金がこれだけかかりますが、払えますか?』と言ったとか・・。代金を見た家族はすぐに瀕死の身内を連れて黙って帰って行ったそうです。

彼曰く、強烈なショックを受けたと。アメリカのシビアすぎる現実に怯えさえしたと。未だその時の情景が頭から離れないと語ってくれました。

でも、アメリカでは批判は起こりません。実はこういう考えが根底にあるからです。

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なぜアメリカでは問題にならないのか?

結論から言えば、アメリカの人々は『死んでもそれがその人の人生、仕方がないことだ』と考える節があるからだと思います。お金がない人が病院に行けないのは仕方ない事、というのが根本にあるんです。

実際、きちんと仕事があって裕福な人がインフルで死んでいるのか?と考えるとハテナです。だって我々日本人で考えても、インフルでここまで死ぬなんてありえない話です。実際は病院費用を払えない人々が被害にあっていると思われます。

それでもほとんどの日本人は次のような意見でしょう。

ですよね。日本の感覚だとそう思って当然です。筆者もそう思います。

でもね、医療費を全額払うって出来ますか?3割負担の我々でもレントゲンを撮れば5000円かかります。それでも高い・・と思いますよね?全額負担だと、2万弱ですよ?月に20万も給料がない人々が払えますか?

筆者の友人のアメリカ人は裕福でしたが、亡くなるまでに病院代だけで1億円以上かかりました。複数あった家を売りながら闘病生活をしていました。全額支払うって結構なお金持ちの方でも大変な事なんです。

そう!日本は本当にいい国なんです。というか、その分これから未来ある子供の負担が非常に増えるとも言えるのですが・・。じゃあ健康保険は無くなるのか?と言えばそうでもない。

日本は医師会が強いですからね。改革しようにも政治家は相当勇気が必要でしょう。そう思うと当分この医療制度がなくなるとは考えにくい。そんな我々には一生理解出来ない国、アメリカ・・。

成功すれば本当に幸せの国アメリカですが、成功しなければ病院に行く権利さえない非情な国でもあります。そしてそれは自己責任だと片付けられてしまう国・・。日本から見ると信じられない話ですが、アメリカではこれが当たり前なので問題にならないのです。

アメリカの考えが悲惨と言うのは簡単ですが、日本も過剰にやり過ぎているとも言えます。・・。批判するのではなく他国のやり方に目を向けて1度皆が考えていくべき問題ではないか?と筆者は思います。

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