目黒・結愛ちゃん虐待死…優里被告への洗脳とDVの恐怖。あなただったら逃げられる?
2018年3月2日に虐待死した当時5歳の船戸結愛ちゃん。
先日の2019年9月3日、母である船戸優里被告の初公判が行われました。
娘をなぜ助けなかったのか?事件のおさらいと共に、洗脳された優里被告の悲惨さをご紹介します。
事件の概要
東京に引っ越しした32日後、結愛ちゃんは帰らぬ人になった・・
何度聞いても胸が締め付けられるこの事件・・・
では事件概要を時系列で一気におさらいしましょう。
2015年 | 香川県のキャバクラで出会う (雄大被告:ボーイ・優里被告:キャバ嬢) |
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2016年4月 | 雄大被告&優里被告が香川県で結婚 →同居と同時にユアちゃんに怒鳴ったりしていた。 |
2016年11月 | ユアちゃんの弟が産まれる →ユアちゃんへの虐待がエスカレート。 |
2016年12月26日 | ユアちゃん児童相談所に一時保護される →近所の人が虐待に気付いて通報 |
2017年2月1日 | ユアちゃん児童相談所の保護が解除される |
2017年3月19日 | ユアちゃん児童相談所に再び一時保護される →外に出された怪我が酷いユアちゃんを警察が保護 →怪我を見た医療機関が保護ではなく、施設入所を進言 (香川児相は施設入所を断念(番外編で後述)) |
2017年7月30日 | ユアちゃん児童相談所の保護が解除される →指定の病院通いすることを条件に親元に戻す |
2017年8月 | 病院通いが始まる →この頃の雄大被告の暴力が減る →雄大被告が人目を避けるように行動するようになる |
2017年3月 | ユアちゃんが幼稚園を退園 |
2017年12月 | 先に雄大被告だけ東京に香川県から引っ越す |
2018年1月4日 | 香川県で結愛ちゃんと優里被告が病院へ通院した最後の日→身長は105.2cm、体重は16.66kg |
2018年1月23日 | →1週間後にユアちゃんと母と息子が上京。 →ユアちゃんの体重は16.6キロ →ユアちゃんだけ灯りも暖房もない部屋に一人で幽閉される →外出は結愛ちゃんを除いた家族3人だけで行動。 →【ゆあc】 ・午前4時、自分でかけた目覚まし時計で1人起床 ・ノートに体重を記録 ・ひらがなの練習が日課 ・朝食スープ1杯 ・昼食ご飯茶碗3分の1 ・夕食ご飯茶碗2分の1 ・言うことを聞かなければ1日1食 |
2018年2月9日 | 東京の児童相談所が訪問 →優里被告:5分で追い返し、会わせない |
2018年2月20日 | ユアちゃんが字を書くことができた最後の日 →雄大被告:浴室内で娘の顔面を殴った |
2018年2月21日 | 香川県の病院が東京児にユアちゃんを確認するように勧告 →この日からご飯も食べられず、起き上がれなかった |
2018年3月2日 午後6時29分 |
雄大被告が119番 →「食事をとらず嘔吐し、心臓が止まっているようだ」と通報 |
2018年3月2日 午後6時59分 |
ユアちゃん:肺炎からの敗血症で死亡が確認 →ユアちゃんの身長は108cm、体重12.2キロ。 |
2018年3月3日 | 船戸雄大被告、傷害の容疑で逮捕 |
2018年6月8日 | 母・船戸優里容疑者、保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕 |
同居し始めた頃は母親がいないところで結愛ちゃんを怒っていた雄大被告。
優里被告自身が虐待をしていなかったからでしょう。
しかし弟が産まれた事がきっかけで大々的に虐待し始めた夫・・・
彼女は、なぜ娘を連れて逃げなかったのでしょうか?
母もDVを受けていた!?
5歳のゆあちゃんが虐待で亡くなった事件、これもお母さんもDVされてたんだねぇ。
DVされてたお母さんに子供を守れ!っていうの酷すぎない?
こういうのもどうせDVした男が悪いんじゃなくて、その男を選んだ女が悪いになるんだろうな…なんでなん…— 諸々撲滅ちゃん🙉 (@renchan91829) September 3, 2019
実は雄大被告が優里被告に対してもDVをしていた疑いがあります。
そしてこんな事実も・・・
ストレスで過食嘔吐を繰り返すようになっていた優里被告。雄大被告は「女性の食事は少なくていい」「太った女は醜い」と優里被告に対してののしり続けた。そのため、雄大被告の前で優里被告は食事ができなくなった。隠れて過食しては下剤を飲んで吐く、ということを繰り返した。2017年8月に医療機関に通い始めた、担当医には、自身の過食嘔吐や雄大被告との関係など苦しみを告白できた。担当医は優里被告のSOSを受け、雄大被告から精神的に支配されていたことに気が付いた。そして担当医は児相にその旨を伝えていた。だが、優里被告が保護されるには至らなかった。
huffingtonpostより引用
なんと!優里被告も保護されるはずだったのですが、認められなかったとか…
そんな彼女、最初は結愛ちゃんを守っていました。しかし・・
「結愛ちゃんが時計の勉強をしているのが聞こえて、お母さんが『なんでできんのや!』みたいな。『あんたがそんなんやけんママがパパに叱られるやろ』って怒ってて。お母さんもお父さんを怖がっているんだろうなって」
FNNより引用
こんな事をいうようになっていくのです。
夫とのパワーバランスが明らかに崩れていた優里被告・・
もちろん罪深い事をしたけれど、彼女は絶対的に悪いのか?
そう言いたくなるくらいの洗脳、一体何をされていたのでしょうか?
洗脳の恐怖とは?
みなさんの意見で多かったのがこれ・・
ゆあちゃんのニュース。とても辛い思いをしていたのではないか?なぜ自分の可愛い子供を虐待するのか。夫の報復が怖いという理由で子供の尊い命を奪っていいのか?なぜ警察に相談出来なかったのか?こんなに悲しいニュースはありません。あんなに仲良さそうな写真だってあったのに。
— 中島明治 (@NdoHjERczRffVcO) September 4, 2019
誰もが思う事・・なぜ連れて逃げ出さなかったのか?
もちろん優里被告にも大きな非がありますが・・こんな洗脳をされたらあなたは逃げられますか?
①年上の夫を憧れていた
優里被告と雄大被告は、職場の同僚として知り合った。8歳年上で、広い世界を知っている人。何でも教えてくれる憧れの人だった。「この人と理想の家族を築きたい」と優里被告は思うようになった。
huffingtonpostより引用
シングルマザーで娘を育てる為にキャバクラで働いていた、優里被告(当時:25才)・・
生活が大変だった時に現れた憧れの人!
人間は、1度相手を自分より上だと格付けすると立場が弱くなる傾向にあります。
②説教が何度も続く
結愛ちゃんの弟を妊娠したあたりから、雄大被告が優里被告を説教するようになった。「お前は子育てができない」「結愛のしつけができていない」と子育てを否定された。失敗したことを何度謝っても、執拗に追及された。
huffingtonpostより引用
相手の視野を狭め、選択肢を与えないことが絶対条件の洗脳。
それが何度も繰り返されると・・
雄大被告は「説教するのは、お前と暮らすためなんだ」と延々と説教を繰り返した。それは陰湿で執拗で、連日2~3時間続いた。次第に、優里被告は「彼は自分のためを思って、言ってくれているんだ」と考えるようになった。優里被告は携帯電話のメモに「原因はこれ。同じミスをしないようにします」と保存し、説教が終わったら「怒ってくれてありがとう」と感謝の言葉を伝えるようになった。優里被告は雄大被告に迎合していき「彼が正しい」と考えていった。
huffingtonpostより引用
「結愛に厳しくするのはお前のためなんだ」と諭された。何度も刷り込むように言い聞かせられ、「私の育て方が悪かったんだ。結愛のために説教してくれた」と思い込むようになっていった。
huffingtonpostより引用
自分が悪いと思い、自己否定するようになります。
言う事を聞いた方が無難だと洗脳されていくのです。
③短いフレーズを覚えさせる
「結愛への暴力はない」「結愛が嘘を吐いている」と言うように、雄大被告は優里被告にメモを渡した。優里被告はそのメモを徹底的に覚えこまされ、雄大被告の言い分をそのまま児相に伝えるようになった。
huffingtonpostより引用
短くて覚えやすい内容を繰り返し言われる事は、すぐに洗脳されやすく危険です。
政府やマスコミがよく使う方法で、文化人や意思の固い人でも逃げるのは難しいそうです。
④密室での洗脳
翌朝、結愛ちゃんの目の周りが黒くあざになっていて顔を叩いたことが分かった。そのあざに対し雄大被告は「ボクサーみたいだな」と笑っていたという。
「バカにされている」と思った優里被告は「叩くのは止めて」と泣いて懇願した。雄大被告は「もう叩かない」と言ったが、優里被告はもう我慢できず「離婚してほしい」と伝えた。「結愛は私が見る。息子は置いていくから」とも話した。すると雄大被告は息子に向かって「お前捨てられるんだな」と言い放った。離婚を否定し「子どもを捨てるひどい母親だ」と責め立てるようになった。huffingtonpostより引用
東京に引っ越してからから、無職の雄大被告はずっと自宅にいたそうです。
密室での洗脳は1番危険!常識的な判断ができなくなるからです。
番外編:香川児相が介入しなかった理由とは?
ところでなぜ香川児相は結愛ちゃんを取り上げなかったのでしょうか?
理由は法律にありました・・
児童相談所の役割は、保護者と子供を引き離す「介入」と、子育てを助ける「援助」という、相反する二つの側面がある。
しかし家庭裁判所に申し立てをすると、その事実が保護者に知られてしまう為、万が一承認されなかった場合、保護者との信頼関係は一気に崩れてしまう。
結愛ちゃんの場合も、怪我の程度から家庭裁判所が申し立てを認めないリスクがあった。
そのため香川児相は介入を断念してしまったのだ。FNNより引用
家庭裁判所への申し立てに失敗すると、結愛ちゃんに接することができなくなる・・
それは危険だと香川児童相談所は考えたようです。
今回の失敗を踏まえ、現在は法律が改正されています。
【児童法の改正案】
・しつけ名目の体罰を禁止
・一時保護と保護者支援の担当を分離
・児童相談所への医師、保健師の配置
児童相談所がよくバッシングされますが、やりたくてもやれない現実もあるのです。
これを機に少しでも助かる子供が増える事を祈るばかりです。